銀行が不動産業に進出?
2019/03/17
かつて、著名な建築家が長野市を訪れ、新田町の交差点の状況を見たときに、この街は発展しないと言ったとか。
それは、交差点の4角のうち3つを銀行が占めていたからです。
(現在は、トィーゴが出来て一行が減り二行です。)
銀行は、午後3時までしか営業をしていないため、それ以降はシャッターで閉じられてしまいます。
また、銀行のビルは上の階をほかのテナントさんが、利用しているケースが少ないです。
これは、商店街・地域にとって大きな損失となります。
なぜ、銀行は積極的に土地活用をしないのでしょうか。
それは、銀行が銀行法12条により他業が禁止されているからです。
そのため、不動産賃貸業などを営むことが出来ず、銀行ビルの上の階を貸したりすることが出来ないのです。
エーッ、でも東京に行くと銀行が入っているオフィスビルやテナントビルなんて、いくらでもあるよ。と、言う人もいると思いますけれど。
その場合は、他の所有者のビルに、銀行がテナントとして入居しているのです。
しかし、ここにきて銀行が不動産業への参入の可能性が出てきました。
全国地方銀行協会が、銀行法が定めた業務範囲規制の緩和を求める要望書を内閣府に提出したのです。
この背景には、収益悪化に苦しむ地方銀行の現状があります。
銀行は、地主さんの相続の問題や、事業承継のお手伝いをする中で、不動産の売却という相談を受け、不動産売却の業務を出来るようになるかもしれないのです。
また、市街地の中心部にある銀行店舗の高度利用などの有効活用も可能となります。
これは、私ども不動産業者にとっては、ゆゆしき問題です。
銀行が不動産業を営むようになれば、資金量、情報量、信用力などで大変な競争相手となります。
不動産業界は大変な反発をしており、実現は今のところ未定です。
資金量、信用力では太刀打ちできない訳ですから、今まで培ってきたノウハウや経験を生かしていかないと負けてしまいます。
これからの不動産業者は、今まで以上に勉強をしないといけない時代になってきたようです。
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